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刑一	「あれ……オレ、今タクシー抜いた……？　車ってこんなに遅かったっけ。　いや、オレが速いのか？　全然本気出してないのに。もし、本気で走ったら……」

	オレは交差点を過ぎた所で、思いきりアスファルトを蹴りつけ、飛び出した！

刑一	「すごい……オレ、こんなに走れるのか、車遅ッ……！」

	その時、後ろからパトカーのサイレンが聞こえた。

パトカーの警官	「そこの車……！　速度違反です、止まりなさい……！」

刑一	「えっ……？」

	オレがビクリとして振り向くと……追い抜いたタクシーがパトカーに止められていた。

刑一	「あのタクシーがスピード違反？　速度制限６０キロだろ。オレ、それを追い抜いたのか？」

	その間にも、タクシーとパトカーのチェイスが、遙か後方に遠ざかっていく……

刑一	「やっぱ、そうなんだ……オレはただのΩじゃない……この力……ヴァンパイアなのか！？」