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オレは、先輩を抱きかかえて、近くのビルの屋上へ飛び上がった。 これなら信号のある道を車で行くより早いし、上空ならヴァンパイアに取り囲まれる可能性も低い…… 海風とビル風の入り交じった強風が、オレと先輩を横殴りに吹き付ける…… |
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碧井 | 「刑一! 貴方、何のつもりです……!? 高い所は……恐いじゃないですかッ!!」 |
刑一 | 「気をつけて、先輩。血の匂いが漏れたら、ヴァンパイアに嗅ぎ付けられる」 |
碧井 | 「ふう…………誰の所為ですか……!」 |
碧井先輩は、ふと溜め息を吐く…… ここから碧井先輩のマンションまで、今のオレの脚ならそう遠くはないはず…… |
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刑一 | 「で、マンションの場所は」 |
碧井 | 「中区のアーバンクレストA棟……ここからならよく見えるはずです……」 |
刑一 | 「分かった。直線コースなら、すぐだな」 |
碧井 | 「なんて無茶な……やめなさ――うわあっ!?」 |
オレは勢いよく、隣のビルの屋上へと飛び移る…… | |