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刑一 | 「っ……白狼ッ!!?」 |
……白狼は奥にある巨大な水槽に閉じ込められていた。 一体どれほど血を抜き採られたのか……その腕はゾッとするほど痩せ細っていた。 それでも白狼は水槽を叩き、暴れていた。水槽越しで声は届かないけど、叫んでいるとすぐに分かった。 |
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刑一 | 「おい、白狼……白狼ッ!!! 聞こえるか!!? オレだ、刑一だ……!! 返事しろッ!!!」 |
……声が届いたのか、白狼が動きを止めた。 水槽越しに、視線が重なる。見開かれた瞳には確かにオレが映っている。 オレの言葉に応えるように、彼は傷だらけの腕をゆっくり上げて、水槽に手を当ててきた。 オレも水槽に手を当て、重ねる…………白狼を見つめ返し、頷いた。 その瞬間、白狼の瞳から音もなく雫が溢れる。それは水溶液に溶ける事なく、頭上に吸い込まれていった。 |
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