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熊打がオレの肩の骨を砕くかと思うほどに力をかけてきた、その時…… | |
ハインリヒ | 「……おい、熊打」 |
熊打 | 「は……ッ……」 |
ハインリヒ | 「貴様が気安く手を出していい相手じゃねえ……下がってろ。古谷と部下だけで十分だ」 |
熊打 | 「マスター……申し訳ありません」 |
刑一 | (この男が、ハインリヒ……) |
……黒い皮の大きなソファで、その男――ハインリヒは脚を組んで座っていた。 彼が一声発しただけで、部屋の温度が下がる。熊打は恐縮した様子でオレから手を離した。 |
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ハインリヒ | 「守矢刑一……まあ、そこに座れ」 |
ソファの周りに転がる無数の空のボトル。それは一見ワインボトルに見えるが、今のオレには匂いで分かる。 そのボトルの中身は人血……無論、人工血液ではない。本物だ。 そしてハインリヒの歯や歯茎の隙間には、まだ血の痕跡がくっきりと残っている…… オレは、本能的な恐怖に身を固くした。 |
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ハインリヒ | 「恐れるな。半人前とはいえ、ヴァンパイアには違いねえだろう?」 |